事務局長 杉村久理 (産業医大人間工学)
10月12、13日に広島県呉市日新製鋼において、産業保健人間工学会第5回大会が開催された。 本大会は広島県医師会、広島産業保健推進センターとの共催、そして日本産業衛生学会中国地方会、日本人間工学会中国四国支部、広島県健康福祉センター、広島商工会議所、呉商工会議所、IWAD女子技術学校からの後援、並びに(財)マツダ財団、日新製鋼(株)呉製鉄所の協賛を得て開催された。 |
当日の呉はまさに「爽秋」という言葉がピッタリの秋晴れで、約150人の参加者が集まった。 大会長は宇土 博先生(日新製鋼呉製鉄所産業医)で、「職場改善を進めるために−人間工学・産業保健・職場スタッフの役割と協働作業を考える−」をメインテーマとして盛会のうちに行われた。 本学会は、産業保健に関わる人間工学関係者、産業医、産業保健職、産業看護婦、衛生管理者、体育学者等、多分野・多職種の人が参加しており、産業保健活動における実践的な作業管理について議論する学会である。 この学会のコンセプトである「実践的な」という言葉に沿った、現場の話題に基づいた10題の演題と、教育講演、講演、シンポジウム、そしてワークショップが行われ、机上の討論会だけでなく、現場実習も伴う、まさに盛りだくさんの大会となった。 |
−第1日目− |
2題の一般演題と公開教育講演、ワークショップ、シンポジウムが行われた。 |
−第2日目− |
8題の一般演題と公開特別講演、公開教育講演が行われた。 |
また大会両日において広島大学工学部金子教授、辻助教授の研究室から最新のロボット2体の展示があり、同研究室の学生によりその実演も行われた。 一体は「義手型人間支援ロボット」であり、手首に取り付けた空間位置センサーを使って操作者の腕から計測した筋電位信号を制御し、手首を失った人でも腕の筋電パターンを認識して、コップを持つ動作などが可能になるものであった。 もう一体は「多足歩行ロボット」であり、センサーからの情報をもとにコンピュータ制御により歩行し、傾斜のある環境においても抱きつきながら移動することが可能というものであった。 |
2日間を通して、産業医や産業保健婦をはじめとする産業保健関係者だけでなく、非学会員である日新製鋼の作業者や一般の住民の方々も多く参加されていた。このことから見ても産業保健人間工学という分野への関心が伺えた。 |