漁船員の技術と労働実態に関する研究U
久宗 周二他
沖合底引き網漁業が継続的に営まれるように、全国の漁業会社を回り、漁業労働に必要とする技能を調査した。網船を例にして最低必要な人員配置から技能レベル毎に技能習得までに必要な年数 を算出した。「ベテラン」になるには3〜10年、「一人前」になるにも1〜5年の年数が必要なことが明らかになった。これらの技能を持った船員が少なくなると、操業に支障をきたし、操業回数および漁獲量の低下とともに、無理な作業から労働災害の発生する可能性がある。この技術レベルを保持できるように、新人漁船船員を採用し、育成のための職場内の訓練をし、熟練漁船船員を確保する必要がある。