マルチ画面型 VDT 作業における人間工学的研究

斎藤 真他

 本研究はマルチ画面型 VDT 作業における人間工学的基礎資料得ることを目的にシングル画面との比較実験を試みたものである。実験は、マルチ画面とシングル画面において男女70名の被験者を対象に行い、作業成績および主観評価を比較検討した。
マルチ画面は、シングル画面に比べて有意に作業成績がよく、主観評価も高った。マルチ画面が高く評価されたのは、シングル画面よりも視認性や操作性が優れているためである。マルチ画面型 VDT 作業の特徴は、単に画面の大ききが2倍になったことで与えられる情報量が増加したということことではなく、各画面にソフトウェアを振り分けることによって操作方法や手順の効率が良くなったことである。
今後は、マルチ画面が多くの職場へ普及する前に作業負担、操作の違和感や習熟、さらに予想される問題点などについて検討する必要があるとの結論を得た。