1.  介護支援動作におけるベッドから椅子への移乗動作の
3次元動作解析

                                                                                                                        山本 憲志 他

 腰痛は頻繁に患者を起こす動作を行う看護職者の深刻な問題である。共通の予防対策は、生体力学の教育、技術のトレーニング、そして、援助道具の採用のような人間工学的介入を含みます。本研究の目的は看護師による患者のベッドから車椅子に移乗する動作をバイオメカにクス的観点から看護動作を評価することであった。看護師2グループ(鍛錬されている看護師と鍛錬されていない看護学生)の重心が計算された。重心の動く幅が2つのグループで比較された。2人の看護師と2人の看護学生の動作が2台のビデオカメラで60Hzにて撮影された。3次元座標の構築はビデオカメラからDLT法を用いて決定された。鍛錬された看護師は患者を起こすときに学生よりも身体をより近づけており、看護師が患者を起こすときに使われる力は学生より小さかったであろう。患者をベッド上で起こし、車椅子に移乗させる際、看護学生の重心は鍛錬された看護師より高かった。これらの結果は、鍛錬された看護師の動作時間が短く、重心の移動が小さいので介護動作に対するエネルギー消費量がより小さいであろう。そして、バイオメカニクス的知識が学生の腰痛を防ぐのに必要であることが推察される。